中国語の量詞と聞くと何が思いつきますか?
などなど、本当に沢山の種類の量詞があります。当講座でも
「量詞が多すぎて覚えられない」
「量詞の使いわけが分からない」
といった声が度々挙がってきます。
今回は、中国語の量詞がどうしても覚えられないという方を対象に、
簡単に量詞を覚えられるようになるコツと使い方をじっくりと解説していきたいと思います。
中国語の量詞の覚え方
実は日本語にそっくりな量詞の文法
日本語にも量詞がありますが、皆さん意識せずに使いこなしています。
「一個のリンゴ」:個が量詞
「一杯の水」:杯が量詞
といったように、日本語にも同じ文法が存在します。
上記例文を中国語にすると以下の通りになります。
- yīgè píngguǒ
- 一個蘋果
- 一個のリンゴ
- Yībēi shuǐ
- 一杯水
- 一杯の水
こうやって並べてみると、なんだか日本語と似ているなって感じませんか?
日本語も中国語も基本的な量詞の使い方は変わりません。
数+量詞+名詞
という文法になっています。
中国語と日本語の唯一の違いは「の」にあたる中国語が必要ないという点ですね。
なんで「の」がないの?という疑問を覚える方もいらっしゃるかもしれませんが。
日本語と中国語は全く違う国の言語です。
中国語にはいらないんだ!ってことで無理矢理納得して下さい。
- 一件衣服
- 一杯咖啡
- 兩台汽車
といった量詞の基本文型をひたすら何度も何度も読んでくうちに、慣れてきます。
まずはこれが基本文型ですので、簡単な文章で結構ですので、沢山作ったり読んだりしていきましょう。
量詞一つ一つに意味がある
基本文型が理解できたら、次は量詞一つ一つの意味を理解していきましょう。
とはいっても、今あなたが勉強している教科書の範囲内だけで結構です。
一気に覚えようとしても、使わない量詞はネイティブも含めて覚えられるものではありません。
量詞が持つ意味
日本語の量詞が持つ意味などはあまり考えたことがないかもしれません。
せっかく言語を勉強するのですから、中国語の量詞に関してはちょっと頑張って覚えると良いでしょう。
- 種:種類
- 件:事柄、衣服
- 張:平べったいもの、平面的なもの
- 杯:コップなどにはいったもの
- 條:細長いもの
といったように、量詞一つ一つを使う場面、意味が異なります。
ここで大切なのは辞書的な意味をそのまま覚えないということ。
どうしてその量詞を使うのかをしっかり理解するのが量詞を覚える上で大切です。
張に含まれる平面的なものというニュアンスがわかっていれば
- 一張紙
- 一張桌子
どうして、どちらも同じ量詞を使うのかが分かるかと思います。
これを「張=枚」と日本語で覚えていたら、きっと試験などで思い出せないかも知れません。
中国語では「机も紙も平べったいから量詞で張を使う」だと覚えて置くと、
同じように平面的なものが出てきた時も、量詞がスラッと思い出すことができます。
意味を丸暗記するだけではなく、量詞が持つ本来の意味をしっかり理解することに注力してくださいね。
最悪分からなければ全部「個/个」で押し通そう
とはいえ、量詞が多すぎて、覚えるに覚えきれないというのが本音だと思います。
試験対策で一夜漬けして覚えられたとしても、会話では中々スラスラと出て来る物ではありません。
当講座では、「分からなければ全部「個」でOK」と指導しています。
一見無茶苦茶に聞こえるかもしれませんが、中国語ネイティブも分からければ「個」で押し通す為、そう指導しています。
理由もしっかりとあります。
「個」は人、物、物事、抽象的なもの何にでも使える万能な量詞だからです。
とはいえ、やはり「個」だけでは表現力が乏しくなってしまったり、不自然な中国語になってしまうことも多くあります。
できるだけ量詞をしっかり勉強して、覚え切れない、忘れてしまった時の逃げ道として「個」を使うようにしましょう。
量詞を使った文法
ここからは実際に量詞を使った文法や考え方について述べていきます。
「指示代名詞」+数+「量詞」+名詞
量詞を使った文法の基本文型。
数+「量詞」+名詞に指示代名詞が加わったこの形。
※指示代名詞は「這,那,哪」のことです。
- zhè yībēi kāfēi
- 這一杯咖啡
- この一杯のコーヒー
- Nà liǎng běnshū
- 那兩本書
- あの2冊の本
といったように「あれ、これ、どれ」という表現を付け加えることができます。
そしてここで、一つ頭に叩き込んでほしいことがあります。
「数+量詞」の「数」が一の場合、一を省略可能
這一杯咖啡→這杯咖啡
というように「一」を省略することができるんです。
この法則はとても多くの場面で使用されるため必ず覚えるようにしましょう。
このルールだけ分かっていれば
- 這個蘋果
- 這杯水
- 那本書
こういった文は全て「一」が省略されて作られているというのが分かるかと思います。
- 這(一)個蘋果
- 這(一)杯水
- 那(一)本書
こんな感じですね。
このリンゴは「這個蘋果」の理由
「このリンゴ」を「這蘋果」と答えてしまう生徒さんが多くいます。
日本語をそのまま訳すとそうなってしまうのですが、これは不正解。
正しくは「這個蘋果」となります。
指示代名詞をつける場合は、必ず量詞とセットにしましょうね。というルールがあります。
その為、「這一個蘋果」が「這個蘋果」に省略されます。
※当然この2個のリンゴだったら「這兩個蘋果」
中国語では「これ、あれ、どれ」の指示代名詞をつけたら、
数がいくつなのかも責任持って相手に言って上げる必要があるんだ!と覚えて置くと良いでしょう。
実はネイティブも曖昧な量詞
いかがでしたでしょうか。
量詞のニュアンスや意味をしっかり理解すると、今まで以上に情報量の多い中国語を話せるようになります。
しかし、日本語と同じく中国語には数多くの量詞が存在し、とても複雑なのも事実です。
昔「数取り団」というのが流行りましたが、実は台湾などの国には同じゲームが存在します。
それくらい、ネイティブにとっても量詞は難しく、数が多く、覚えきれないものなんです。
前項でも述べましたが、最悪分からなければ「個」で押し通してしまいましょう。
量詞を使った文法は必ず覚えなければならないと私は考えていますが、
完璧に量詞を使いこなせるようになる必要はないと考えています。
まずは、量詞を覚えるのが難しければ全て「個」で押し通してしまって、文法や覚えやすい他の単語を覚えるのに注力したほうが効率的です。
余裕が出てきた時に戻ってきて量詞に再度トライしていけば、いずれ誰でも理解することができるようになります。
難しいことは後回しにして、楽しく中国語を習得していきましょう。
