【中国語講座】「不」と「沒」の違いってなに?

今回は「不」「沒」の違いについて解説していきます。

否定形を作る時に

  • 我不吃飯
  • 我沒吃飯

どっちが正しいんだろう?と悩んだことはありませんか?

「否定形は不をつければいい」と単純に覚えてしまうと、沒の否定が現れた時に訳し方が分からなくなってしまいます。

不と沒の違いはとても簡単で、ポイントだけ押さえれば誰でも使えるようになるため、
違いがよくわからないという人のために、今回は簡単に噛み砕いて説明していきます。

「不」と「沒」の違いってどこ?

「不」「沒」の大きな違い。

この2つには明確な違いがあるため、第二言語として学ぶ私達でもしっかりと使い分けることができます。
「不」と「沒」の大きな違いは2つだけ。

不:現在、未来の否定

沒:過去の否定

この原則だけ覚えておけば、使い間違えることはありません。
例文を交えて解説します。

過去

Wǒ zuótiān méi chīfàn
我昨天沒吃飯
私は昨日ご飯を食べていません。

過去の事について「沒吃飯」と否定しているため「沒」を使用します。
過去に対する否定で、不を使った否定できません。

では一つ一つ例文も交えて解説していきます。

現在

Wǒ jīntiān bù chī wǔfàn
我今天不吃午飯
今日お昼は食べません。

現在に対して否定する場合は、を使って否定します。

未来

Wǒ míngtiān bù chīfàn
我明天不吃飯
私は明日ご飯を食べません

「明日もご飯を食べない」という未来に対しても否定をしています。

不と沒のそれぞれの使い方を詳しく解説

原則として、時間軸で不と沒を使い分けると考えておくとかなり理解しやすくなるでしょう。
ここからは、不と沒の詳しい使い方をもう少し深堀りして解説していきます。

「不」の使い方

前項でも述べた通り「不」は現在、未来の否定に使われます。
例文を交えて解説していきます。

不の時間軸について

Wǒ bù chuān qúnzi
我不穿裙子
私はスカートを履きません

過去はスカートを履いたかもしれませんが、現在と未来は履かないという意思表示となります。
単純な否定ではなく、未来に対しても否定の効果が及んでいることから、意思表示にも使用することができるのが「不」の一番の特徴です。

Wǒ yǐqián hěn xǐhuān chuān qúnzi, kěshì xiànzài wǒ bù chuān qúnzi
我以前很喜歡穿裙子,可是現在我不穿裙子
以前はスカートを履くのが好きでしたが、今はスカートを履きません。

過去の話も前半部分に出てきましたが、否定しているのはあくまで現在と未来。
そのため、この例文でも【不】が使用されています。

Tā bù lái shàngkè
她不來上課
彼女は授業に来ない

もうこの例文は簡単に理解できるかと思います。
【不來上課】と「来ない」という未来の事についてしっかりと否定していますね。

補足
【授業に来ない】と否定していますが、もしかしたら来る可能性も0ではありません。
とはいえ、その可能性まで考える必要はありません。
日本語で会話する時も、わざわざ0,1%の可能性を考えて
「彼女は授業に来ない!けどもしかしたら0,1%の可能性で来るかもしれないし、いやでもきっと来ない!気がする!」
なんて言わないですもんね。

【不】を使った否定は全て現在・未来に対しての否定ですので、

  • 不去(行かない)
  • 不看(見ない)
  • 不穿(着ない・履かない)
  • 不要(必要ない、いらない)

といったように過去に対する否定ではないということをしっかりと覚えておきましょう。

例外

過去を否定できない【不】ですが、例外があります。
のみ沒を使うことが出来ない動詞のため、過去も含めて是を否定する時は不是を使って否定します。

Nǐ bùshì xǐhuān kāfēi ma?
你不是喜歡咖啡嗎?
コーヒー好きなんじゃなかった?

というように、過去に対する疑問詞を作るときなんかにも使用されます。
※疑問詞と疑問文に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。

【中国語文法】疑問文全5パターンと答え方を徹底解説! 中国語の頻出疑問詞15パターンと答え方

形容詞と助動詞を否定できるのは不だけ

形容詞・助動詞を否定できるのは【不】だけです。

  • 不喜歡
  • 不可以
  • 不熱
  • 不要
  • 不願意
  • 不在
  • 不知道

他にも無数の形容詞や助動詞がありますが、全て【不】 で否定します。
それに対して、【沒】は上記に上げた例のような、形容詞や助動詞には使うことができないため注意しましょう。

「沒」の使い方

続いて「沒」の解説です。
こちらは例外を除き、全て過去の否定を表します。

その例外というのがを否定する沒有を使う場合のみ、

過去のみではなく、現在、未来に対しても否定することができます。
ですが、それ以外の例外はないと考えて問題ありません。

沒を使った否定文の例文

Wǒ méi chuānguò qúnzi
我沒穿過裙子
私はスカートを履いたことがありません
この文法からも分かる通り過去に対して触れられています。
「スカートを履いたことがありません」というのは過去の経験から履いたことがないという意味ですね。

ちなみに、この例文で使われている文法

沒+動詞+過
〜したことありません

この文法は、沒を使った文法の中でも、特に良く使う文法のため、覚えてない人は是非覚えてましょう。
日常会話でも頻繁に使うため、必須で覚えておきたい文法です。
この文法も過去について述べる文法のため【不】 は使用できません。・

Tā méi lái shàngkè
她沒來上課
彼女は授業に来ませんでした

「不」と「沒」との違いがハッキリとわかるのがこの例文。

「不」の否定ですと、「来ない」だったのが。
「沒」だと「来なかった」となります。

現在と過去がはっきりと分けられているのが分かりますね。

有を否定できるのは沒だけ

後述しますが、動詞は基本的に過去・未来・現在によって「不」と「沒」を使い分けて否定します。
ですが、有だけは例外で、必ず「沒」で否定する必要があります。

不有とは言わないため、気をつけておきましょう。

動詞は不も沒も両方使える。

【有】を除き全ての動詞の否定で、「不と沒」が使えます。
過去・未来・現在によって、「不と沒」を使い分けるというルールが分かっていれば、簡単に使い分けることができるようになるでしょう。

Wǒ míngtiān bùyòng chī zǎocān
我明天不吃早餐
明日朝ごはん食べません。
Wǒ zuótiān měi cì zǎocān
我昨天沒吃早餐
昨日朝ごはんを食べていません

それぞれ、過去と現在の否定ですが、「不と沒」それぞれで否定すると、大きく意味が変わるのが分かるかと思います。
何度も繰り返しになりますが、時間軸によって、使い分けるという点が一番「不と沒」で重要なポイントとなりますので、分からなくなったら一度このルールを思い出して見て下さい。

まとめ

「不」「沒」の違い。理解していただけたでしょうか?
ちょっとした違いが難しく感じたりするかもしれませんが、
会話の中で使っていくうちに違いが理解できるようになってきます。

とはいえ、表現したい時間軸に合わせて使い分ければいいと理解しておけば、間違って使う事も無いでしょう。
それにたとえいい間違えたとしても、会話であれば言い直せば良いだけなので、あまりシビアに考えすぎる必要もありません。
たくさん話して間違えて覚えていけば良い。それくらい軽く考えたほうが語学学習は続くでしょう。

「不」「沒」で悩まれていた方は是非参考にしてみて下さい。
その他の文法や中国語学習については以下の記事にまとめてありますので、参考にしてみてください。
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